親衛隊少佐とバルバロッサ作戦

親衛隊少佐とバルバロッサ作戦



注意:独自設定があるので後々矛盾が起きるかもしれません、あと少しグロ表現があります








「各部隊からのから報告…どうやらスモレンスクの占領が完了したようです。」

「了解しました。残党の制圧と捕虜の確保をそのまま続けてください。」

ナチスドイツの親衛隊情報部のアインザッツグルッペン(移動虐殺部隊)に属する魔法少女は血と油で汚れてしまった手を拭きながらその返事に回答した。

1941年にドイツ側が不可侵条約を破る形で始まった独ソ戦…ドイツ軍はバルバロッサ作戦を遂行し、破竹の勢いでソ連領を制圧していき、ついにはソ連の首都であるモスクワ…その手前にある都市スモレンスクにまで到達した。

「少佐殿!お疲れ様です!あまり満足なされていないようですが大丈夫でしょうか…?」

「ええ…問題ありません。ただ少し不安が晴れなくて…」

「…ひょっとしてソ連軍の魔法少女がまだ確認されていないことを心配されているのでしょうか?」

「今のところどの戦線でも確認されていません。日本を警戒して東に配置しているのだとしたら助かるのですが」

「…できる限り早くモスクワを落とせると良いですね」

「まあ次はモスクワ攻略中に弱点を晒さないために南部でレーニングランドの制圧とをすることになったようですけどね。南部戦線も大規模な穀倉地帯であるウクライナの制圧を優先するそうなのでモスクワへの攻撃はしばらくお預けだそうです。」

「!?それはモスクワに相手の魔法少女を呼び込み、守りを固める時間をあたえてしまうのでは!?それにいくら少佐殿でもこの連戦じゃ…」

「逆ですよ。相手をモスクワから動けなくするんです。こうすれば他の戦線にやつを呼び寄せることはないでしょう。私の消耗に関しても問題ありませんよ。」

彼女はそれまでの大人びた表情ではなく年相応に見える笑顔になりながら答えた。

「ここにはたくさんのスラブ人、何よりユダヤ人がいるじゃないですか」

それはこの作戦で捉えられた捕虜の兵士500万人、民間人330万人の運命を表していた。


ドイツ軍により占領されたある町…その町で一番大きな建物の中に…数え切れないほどのユダヤ人が閉じ込められていた。

男性、女性、老人に子供…ただの民間人である彼らはこれから悪夢に恐怖していた。彼らはまたドイツの国境近くに住んでたこともあり、ドイツ軍…それも移動虐殺部隊の悪名はよく知っていた。そして確実に自分たちがここで殺されることも。

外のドイツ軍が少し騒がしくなり、しばらくして一人の軍人が建物に入ってくる。

「すみません、お待たせしました。」

それは一人の少女だった。確かに親衛隊の軍服こそ来ているものの明らかに戦場にいるような年齢ではなく、明らかにその場において場違いだった。

彼女は笑顔のまま近づいてくると近くにいた子供の頭に触れ…






そのまま握りつぶした。

信じられない光景に周りの人々が悲鳴を上げる。彼女はそのまま何事もなかったかのように次々と虐殺を繰り返していく。

あるものは恐怖のあまり逃げ出そうとする…しかし窓もドアも厳重に封鎖されており、こじ開けようとしている間に追いつかれバラバラにされてしまう。あるものは子供の見た目を侮り飛びかかっておさえこもうとする…しかし彼らは数秒後には物言わぬ死体へと変わってしまう。

建物内は悲鳴と雄叫び、鳴き声に包まれたが数分ほどでその声も無くなっていった。

「感謝いたします!大佐殿!今のだけでも魔力を4000人分ほど得られました!今までのを合わせれば今日だけでもう数万人分もためこんでます!」

「ふむ、それは上々。今日はあと二つ回って欲しい街があるからあまりのんびりはしてられないがね」

「そういえば軍人の捕虜に関してはどうなっているのでしょうあか?」

「心配しなくても屍兵師団の連中に任せている。タイフーン作戦までには問題なく間に合うそうだ。それと少佐の舞台から報告だ。どうやらほかの移動虐殺部隊も完全にとはいかないが魔力を人から取り出して運送することに成功したらしい。今後魔力不足には気にしなくて良いとのことだ」

「それは嬉しい知らせですね。研究を援助してくださったハインリヒ長官にも感謝しませんとね」

ドイツ軍のソ連領での虐殺によりユダヤ人だけでも100万人近くの犠牲者が出たと言われている

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